耕作放棄地の農地を相続してしまいそうな人の話

日本全国には広大な耕作放棄地があり、そしてそれは年々増えている。日本国民の多くが農家だった時代と違い、今は農業をやる人が減ったし、高齢化で農業が出来ない人も増えた。

耕作放棄地が増えると日本の食料自給率がどうのこうのと言う話もあるが、そんな事は正直どうでも良く、一番の問題はこの何の役にも立たない耕作放棄地を相続しなければならない人が発生してしまう事である。

耕作放棄地についてネットで調べてみると、耕作放棄地の一例として写真が載っていたりするが、ハッキリ言ってこんな土地ならどうにもできると思える土地ばかりだ。

だからネット記事には「活用しよう!」なんて絵空事が書いてあるが、活用が難しいから耕作放棄されてるわけだし、私が将来相続するかも知れない耕作放棄地はまるで次元が違う。

まず限界集落にある。近い将来人がいなくなる。そして、周囲の農地も耕作放棄地であり、雑草が生えるとか言うレベルではなくもはやジャングルである。どこからどこまでが我が家の土地で、どこからどこまでがお隣さんの土地なのかわからない。

そして山奥であり、重機や農機で耕そうにもそもそも道が無い。行く手段がない。刈った草木を運ぶ手段が無い。斜面でもあり、仮に奇跡が起きて農地として復活できたとしても、周囲の放棄地が竹やぶ化して竹が伸びに伸びているので日が当たらない。

そんな土地が1つや2つではなく沢山あるのである。めまいがする。

こんなゴミのような土地であるにも関わらず固定資産税がかかる。1つ1つの土地はほとんどが無税になるはずの土地だが、土砂崩れで居住不可能な家がある土地が地目が宅地なせいかそれの評価のせいで全ての土地が課税対象になっている。

うちの親父はこれを毎年毎年払っている。だが親父はまだ良い、年金がある程度もらえる世代だからだ。しかし、近い将来婆さんの実家の土地も相続する可能性を考えると、トータルでは結構な金額になるだろう。

しかもそれらの宅地も4mの道路に接していないため再建築不可!ド田舎&山奥で駅ってなんですか?ってレベルの場所でもうどうにもならない。

私が高齢者になった時には年金支給年齢も上げられて、金額も低くなり、その年金からわけのわからない農地の固定資産税を払い続けなければならない。資産とは一体…?

しかもこのまま行けばこれらの耕作放棄地を自分の子供が相続する羽目になるのかと考えると、もうそれだけはなんとか避けたいとも思う。ホントにいらねえ。

相続した土地の国庫帰属制度が何の役にも立たない件

普通は相続放棄を考えるだろう。

私も最初は相続放棄するしか無いかなぁ…なんて思ってたんだけど、相続放棄しても新しい管理者が見つかるまではその土地を管理しなきゃいけないとかなんとか?そもそも私はその土地のある県に住んでおらず、管理するなど到底不可能だが…。

相続放棄した土地の管理責任について調べてみた

仮に相続放棄できたとしても兄弟や従兄弟に火の粉が飛ぶのだろうか?まさにこれはババ抜きであり、長男に生まれた瞬間に負けが確定なのだろうか?

そんな事を色々とああでもない、こうでもないと考えたあげく…

要はそれらの土地を上手く活用できれば良いんじゃないか?と考えて、重い腰を上げ、ノコギリを手に竹やぶ化した土地へと向かっていた。

そこにオッサンが現れて、余所者を見るような、不審者を見るような、そんな態度で「あんたここで何してるの?」的な事を言ってくるわけですよ。

んなもん、うちの土地で私が何をしようと勝手だろうが!とは言わず、いやー竹を切りに来たんですよと答えると「ふーん、竹をなぁ…」となんか腹が立つ反応。

とある土地を指差して、あっこはうちの土地だから!みたいな事を言うから、うちはそこだよと答えると、竹泥棒ではないと理解はしてもらえたらしい。

そもそも、このオッサンの土地へは道がなく、オッサンの土地へ行くには我が家の土地を通らないと行けないわけで、それでよく偉そうな態度ができたものだ。

このオッサンの態度で一発で私の気力は萎えた。こんな荒れ放題の土地がいくつもいくつもあり、その土地全てにお隣さんがこれまた無数にいるわけだ。

めんどくせぇぇぇぇぇぇ!

もう考えただけで無理だ。

体力と時間があれば土地をコツコツと再生する様子を動画に撮ってYouTubeにでもアップすれば、上手くいけば固定資産税分くらいの収益が入るかも知れないが、仮に私が土地を奇跡的に再生できたとしてもそれを引き継ぐ者がおらず、結局は元の木阿弥になる。

農地は法律で基本的に農家にしか売れないから簡単に売れないし、仮にその縛りがなくてもこんな状況の土地なので活用法が無く誰も買わない。

そう言えば私の実家の近所の田んぼは土地を造成して資材置き場と言う名前のゴミ捨て場となっており、著しく景観を損ねている。

都会の駅前の一等地を相続して大金が転がり込んでくる人がいる一方で、私のように何の価値もない…いやむしろマイナスの土地を相続する人もいる。まったく不公平な話だ。

よく山の一部を太陽光発電所にしているのを見かける。世間では山の木を切ってしまうと山の保水力がなくなって土砂崩れが起きやすくなると言って問題視しているようだが、私にはその太陽光発電所の主の気持ちが痛いほどよくわかる。

一体そんな土地、他の何に使えと言うのか。土砂崩れが起きるとか何とか言うなら、麓の連中が買い取るなり、維持費的な名目で金を出してやれば良い。

まあ私に言わせればまだ太陽光パネル置けるだけマシで、我が家の土地は本当に何の役にも立たない。農地なので勝手に工作物を置くことは許されない。こんな境遇の人、自分の他にもいるんだろうか?そう思ってこの記事を書いた。

そして、そんな土地を今後どうして行くのか、模索して書き残して行きたい。

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