UbuntuでUSBドライブをext2形式でフォーマットしたら、「権限がありません」と言うエラーが出て書き込みができなくなって困った…。そんな経験はありませんか?
この記事では、実際に海外フォーラムで話題になったこの問題について、原因と解決方法をわかりやすく紹介します。
🔍 問題の背景
Ubuntuユーザーの1人が、USBメモリをext2でフォーマットしたところ、ファイルの所有者がroot
になり、自分のユーザーでファイルの読み書きができなくなったと報告しました。
これはLinuxのファイルシステム設計によるもので、ext2(ext3/ext4も同様)では、マウント時にオーナー情報が保持されるため、適切に設定しないと一般ユーザーでは操作できません。
実はext2では、マウントされたときにファイルシステムがroot所有になってしまうことがあり、通常ユーザーでは書き込みできません。これは異常ではなく、Unix系の設計通りです。
🛠 解決方法
解決するには、コマンド入力を使用します。コマンド入力はCtrl+Alt+Tで真っ黒な画面(ターミナル・端末)を起動すれば入力できます。
① 所有権を変更する
sudo chown -R $USER:$USER /media/your-usb-drive
コマンド入力後は最後にエンターを押すのも忘れずに!
マウントされたUSBのパスに対して、所有者を自分に変更します。パスとはPC内のファイルの場所などを示す住所のようなものです。単発的な問題解決はこれでできるはずですが、永続的には以下の2つも検討してください。
② fstabで永続的に設定
(※上級者向け)もしこのUSBを何度も使う予定があるなら、/etc/fstab
に以下のように追記しておくと便利です。
UUID=xxxx-xxxx /media/usb ext2 defaults,uid=1000,gid=1000 0 0
※uid/gidは通常、最初に作られたユーザーが1000です。
各パーティションには、OSが自動で一意のID(UUID)を割り振っています。デバイス名(/dev/sdb1など)は接続順で変わることがありますが、UUIDは基本的に変わりません。
sudo blkid
↑このコマンドでUUIDを調べる事ができます。
fstabなどで「どのデバイスをどこにマウントするか」を指定する際、UUIDを使うと確実で安全です。…と言っても初心者にはチンプンカンプンだと思いますけども。
③ exFATやFAT32にフォーマットしなおす
もっと簡単にUSBを使いたい場合は、LinuxとWindows両対応のファイルシステムがおすすめです。所有者の概念が無いので、どのPCでも読み書きが簡単。
sudo apt install exfatprogs
sudo mkfs.exfat /dev/sdX1
これなら所有権のトラブルを気にせず使えます。
💡 なぜext2はUSB向きでないのか?
ext2は軽量で堅牢なファイルシステムですが、以下の理由でUSBにはあまり向いていません。
- ファイルの所有者やパーミッション管理が厳密
- 他のPCやOSで認識しにくい
- マウント時に手動設定が必要になる
よって、Linuxに強いこだわりが無ければ、exFATの方が実用的です。
📝 結論
USBメモリをext2でフォーマットした場合、自分のユーザーでファイル操作できないのは自然な動作です。以下のいずれかで対処しましょう。
- 一度だけ使う →
chown
で所有権変更 - 毎回使う →
fstab
で設定 - マルチOSで使う →
exFAT
に再フォーマット
あなたの用途に合わせて、最適な方法を選んでください。
📁 ext2以外のファイルシステムの特徴と注意点
USBや外部ドライブで使われる他のファイルシステムについても、それぞれメリット・デメリットがあります。目的に合った形式を選びましょう。
1. ext3 / ext4
(Linux標準のファイルシステム)
- 特徴: ジャーナリング機能付き。Linuxネイティブ。安定・信頼性◎
- 注意点: 所有権・パーミッションの概念があり、他OSでは読み書きが難しい
- おすすめ用途: Linux専用で長期保存するUSBや外付けHDD
2. FAT32
(Windows・Mac・Linux共通で使える)
- 特徴: 互換性が非常に高い。どのOSでも標準対応
- 注意点: ファイルサイズ上限が「4GB未満」、パーミッション機能なし
- おすすめ用途: 音楽、写真、ドキュメントなど小〜中サイズファイルの共有
3. exFAT
(FAT32の進化版)
- 特徴: 4GB制限がなく、大容量ファイルもOK。主要OSでサポートされている
- 注意点: Ubuntuでは
exfatprogs
などの追加インストールが必要な場合あり - おすすめ用途: 動画や大容量ファイルを扱うUSBやSDカード
4. NTFS
(Windows標準)
- 特徴: Windowsでの安定性が高く、パーミッションも柔軟に設定可
- 注意点: Linuxでは書き込み対応がやや不安定になることもある
- おすすめ用途: Windowsメイン環境で使う外付けHDDや大容量バックアップ
5. Btrfs / XFS / ZFS
(高度なLinux用FS)
- 特徴: スナップショット、自己修復、圧縮などの高度機能
- 注意点: USBなど可搬用途には不向き。Linux専用のサーバー向け
- おすすめ用途: NAS、バックアップシステム、仮想化環境
🔚 まとめ:ファイルシステム選びは「目的」で決めよう
どの形式が最適かは、用途・互換性・ファイルサイズの3点で判断するとよいでしょう。以下は簡単な選び方の目安です:
- Linux専用USB → ext4
- Windowsと共用 → exFAT(またはNTFS)
- あらゆる機器と共用 → FAT32(4GB以上のファイルが無ければ)
- 高度なLinuxストレージ用途 → Btrfs、XFS、ZFS
ファイルシステム選びで失敗しないように、形式の違いを知っておくと安心です。
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