ファミコンの電池交換すればセーブできないカセットのバッテリーバックアップの寿命も復活するので殻割りから説明するよ

こんにちは、minoruです。

ファミコンの人気ソフトであるドラクエやファイナルファンタジーなどストーリーが長いゲームは、バッテリーバックアップと言われる電池を使用した記憶媒体によってセーブデータを保持しています。

なので、当然内部の電池が寿命で切れてしまうとセーブができません。しかし、当たり前ですが電池交換をすればバッテリーバックアップは再びセーブデータを記憶できるようになるので、ここではその詳しいやり方を解説します。

用意するもの

  1. 精密ドライバーのマイナス
  2. 新しい電池
  3. セロテープ
  4. ラジオペンチ
  5. 静電気除去シート

やり方は以下の通り

  1. カセットを分解する(殻割り)
  2. 古い電池を外す
  3. 新しい電池を付ける
  4. カセットを組みなおす

カセットを分解する(殻割り)

ゲームボーイやスーパーファミコンはカセットを分解するのに、専用の工具でネジを緩めるだけなので何も苦労はありませんが、ファミコンのカセットの場合ネジが無いので、意外とカセットの分解方法は知られていません。

ファミコンのカセットは4箇所のツメによってロックされています。

これらをテコの原理を利用して外していくだけです。

まずはカセットの横側のツメから外します。やり方は以下の写真の箇所からマイナスドライバーを突っ込みます。カセットの上側の殻と下側の殻を手で広げるとわずかに隙間が出来るので、そこにマイナスドライバーを入れます。

※大きめのドライバーを使用している人がいますが、実は細い精密ドライバーでも強度は充分ですし、精密ドライバーの方が薄いので隙間に入りやすいため、作業が簡単な上にカセットを傷つけずに殻割りできます。

実は上側の殻と下側の殻の接触部は平なのではなく人間の歯のようになっているので、普通にまっすぐドライバーを突っ込んだのでは奥までちゃんと入りません。

こんな感じで下から上に斜めになるような感じで突っ込みます。是非、下の画像をクリックして拡大してじっくりと確認してみてください。

しっかり奥まで入れたら以下の画像を参考にして、赤い矢印の方向へドライバーを動かせばカセットのツメが外れます。

ドライバーを突っ込む位置がツメから遠ければ遠いほどカセットの殻はひび割れたりしやすくなります。ひび割れを防ぐにはドライバーを動かす際に、カセットを手でアイアンクローすると上手く行きやすいです。

アイアンクローって何?という人もいると思うので解説すると、上記の画像を見てもらうとわかりますが、カセットの上側の殻の、ツメのあるあたりを左手の親指と人差し指でグーッと握りこむことで、ドライバーの力が変に一箇所に集中しないようにできます。

あくまで上側の殻だけを掴むのであって、下側の殻は掴まないように。

で、カセットを握りこみながらドライバーを上側に向かってこじると、カセットのツメが外れます。パキン!という結構「やっちまった感」のある音がしますが、それでもひび割れは起きていませんので安心してください。

というか、失敗してひび割れていてもパキン!という音がします(笑)どちらにしても大きめの音はするのでビビってもしょうがありません。

力の入れ具合だけではなく、カセットの保存状態が悪くプラスチックが劣化していればそれだけひび割れしやすいですね。業者に頼もうが自分でやろうがプラスチックが劣化していればひび割れの確率は高まります。

片方のツメが外れたら次は反対側も同様。

やり方は同じで、隙間からマイナスドライバーを突っ込んで、握りながらドライバーをこじるだけ。片方のツメが外れているので反対側は結構ラクに外れます。

左右のツメが外れたらあとはカセット上部のツメを外すのですが、この作業には特別な工具などは必要ありません。ちょうど貝の殻を開くように、ツメの部分を中心として蓋を開くような要領でゆっくりと慎重にやれば外せます。

変に力が加わるとカセットが割れるかも知れないので、力任せにガバッと行くのではなく、あくまで優しく慎重に。力は殆ど必要ありません。

これで殻割りは完了です。

古い電池を外す

殻割りが完了したら次は古い電池を取り外します。基板を触るときには静電気除去シートで体の静電気を放電してから作業するクセをつけたいですね。

※以下ではゲームボーイの電池交換時の画像を使用しますが、基本的にやる事は一緒です。

端子と電池の隙間にマイナスドライバーを入れて、端子を少し浮かしてから…

IMG_20151006_185411

端子をちょっと浮かしたら、端子をラジオペンチで掴み、電池を手で抑え、引き剥がします。

IMG_20151006_185746

溶接は二箇所なので、もう一度同じ要領で引き剥がします。

IMG_20151006_185901

パチン!という感じで溶接部が外れました。

こういう力技が好きになれない人や丁寧に交換作業をしたい人は、端子のハンダ付けしている部分をハンダ吸い取りシートなどを使いながらハンダ付けを取っていき、端子付きの電池と交換するのが良いです。

ただ、ハンダが溶けた時に出る煙は体に有害なものですし、私は今回解説している方法で何か困った事は起きてないし、必要な道具も手間も少なくて済むのでよほどこだわる人で無ければおすすめはしません。

後は下側の端子も同じように溶接部分を引き剥がします。電池の溶接部分よりもハンダの方がガッチリ付いてるので、慎重に力を加えれば端子側がダメになる確率は低いと思います。

IMG_20151006_190009

オリャ!!!

IMG_20151006_190022

はい、取れました。

IMG_20151006_190137

後は曲がりくねってしまった端子を、上記の写真のように綺麗に直してあげてください。

新しい電池を取り付けよう

下側の端子のさらに下側にセロハンテープの接着部を上にした状態で敷きます。

IMG_20151006_190426

人差し指の幅ぐらいしかないのでセロテープはちょっと縦に割いて細くしてあげると良いかと思います。

そして、電池を装着。

IMG_20151006_190456

ゲームソフトによって違うかも知れませんが、プラスが下向きになるようにセットしました。基盤をよく見ると、どちらの端子がプラスで、どちらがマイナス側なのかは書いてあります。

IMG_20151006_190542

電池の場所が決まったらセロテープでくるりと包んで絶縁&ホールド。

時々「テープでとめるのはアホ、なんかの拍子に電池外れたらどうする!」みたいな事をいう人がいますが、電池交換したカセットでキャッチボールでもするつもりなんでしょうか?普通に使っててテープでガッチリ固定した電池が外れる事なんてありませんが…。

まあハンダの方が丈夫で長持ちするのは間違いありません。98%の完成度を100%にしたい人はハンダでやれば良いでしょう。ただし、ミスって別の箇所のハンダ溶かしたら、下手すりゃカセットそのものが使えない状態になったりする可能性はあります。

自分の予算と、手先の器用さと、求める完成度などと相談して、各々が好きな方法でやればOKなんじゃないかと思います。

ちなみに電池が切れる前にセーブデータを保持したまま電池交換をしたいという場合は、以下の画像の手順で行ってください。

まずは新しい電池を導線などを用いて古い電池と並列でつなぎます。

古い電池を取り外します。

さらに新しい電池を装着します。

最初に付けたデータ保持用の電池を外します。

こんな感じですね。

カセットを組み直す

殻割りを解説したページは他にもあるし、電池交換を解説したページも他にもありますが、意外とカセットを組み直す時について解説しているページは少ないです。

バラした電気製品が元通りにできない。分解あるあるですよね。

まず、気を付けたいのは基板はカセットの殻の内側についている突起によって、決められた位置におさまっていないと蓋が元通り閉まりません。

この突起にちゃんと基板がハマっていないのに力任せにやれば殻や基板が割れたり折れたりするので、ここはちゃんと確認しておきましょう。

あとはカセット上部のツメを噛ませて…

上記の画像の矢印のように、3DSやガラケーを閉じる時のように蓋をしてやればOKです。

普通に閉じればあと一歩のところまで簡単に閉まります。少しだけ隙間ができるので、そこからはちょっと力を込めてパチン!パチン!とサイド側のツメを押し込んでやれば完成。

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